超える7


エスパニョールのミサで、
フランシスコ・ザビエルの説教を初めて聞いた日本人民衆のように
日本語と親しいかの国の暖かな”母音”を感じた

私は確かに得た
私たち一人一人は世界に残らず数えられたエレメントだと
美しいインスピレーションの瞬間!
金持ち 乞食 教師 娼婦 運転手 賢夫人 盲者 会計士 坊主 唯物主義者 葬儀屋 ・・・・
それぞれの喜び 哀しみ 笑い 怒り
一人一人の人間は漏れなく、地上という舞台の演者だと

地中海劇場で、ラテンの人々がかくも驚くほど演劇的である秘密
司祭の言葉に誘われ、みな抱き合いキスし合い握手を交わす

典礼歌に合わせて乾いた音のギターラが始まる
死は心底悲しいのに なぜか心底楽しい
こんなに悲しいのに
こんなにも滑稽だ
これこそが迎えられた者と送り出す者の交感 交歓

祭に集まる者たちが見上げる会堂の天井に
目を開けられぬほどの光が射す

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