ジオ・ポリティクスの夜明け


 わが国は61年前に米国に戦争で負けてから、萎縮してしまった学問領域がある。地政学である。本来、学問とは自由なものであって、何をやろうと勝手なはずだが、それが制限されているところにわが国の限界と後進性を見る。リアリスティックに物事を見るはずの社会科学において、左翼主義の幻想に長い間犯されて来たためにワリを食ってきた。地政学は国の生存に関わる重大なテーマを取り扱っているのにもかかわらず、今まで平和ボケしまくってきたわが国では等閑視されてきたように思う。

 しかし、ZENは悲観しない。ここに日本の地政学の未来を担う若き俊英、奥山真司さんがいるからだ。奥山さんとは評論家の副島隆彦さんの主宰するインターネット掲示板で知り合って以来のおつきあいだが、爽やかで一直線の学究姿勢に常々感心させられている。それもそのはず、彼は本場英国で当該分野の先端学問を学ぶ現役バリバリの学徒だからです。

 はっきり言ってしまおう。日本にいて、外国からの二次情報を日本人向けにアレンジしてお茶を濁している学者とは、奥山さんはわけが違うのだ。第一に、資料の鮮度が違う。一級の生きた英語資料を使う。世界の最先端の学問は、英語で取り交わされることは常識だろう。第二に、教授自身が実際に世界の政策に影響を与える人物である。現実の権力者たちから歯牙にもかけられない学者から学ぶのとは迫力が違う。第三に、世界中から集まってくるさまざまな背景を持った、知的探究心旺盛な学徒とともに学び、論争をする。というわけで、誠にエキサイティングな世界である。日本の文科系学問の中にこのようなエキサイティングな知的環境が存在するのか知らない。

 奥山さんの素晴らしいところは、自分が学び得たことを、こっそり日本に持ち帰って、それを元手にして、メシの種にしようなどというスケールダウンした縮小再生産のセコさが微塵もないことだ。専門用語によりかからず、自分の言葉にしっかりと咀嚼しなおして、誰にもわかりやすく、ジョークを交えて知見を惜しみなく伝えてくれる。ZENはやっと日本にも世界水準の学問をリアルタイムで共有する人物が現れた!と感激しています。それも決して上から見下ろすようにではなく、フレンドリーなたたずまいで。

 ZENが駄弁を弄するよりも百聞は一見にしかず。彼が主宰する以下のホームページをご覧ください。特にその中のブログは注目です。地政学を全く知らなかった人も、目が開かれるのでは。

 http://www.geopolitics-okuyama.com

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