下赤塚 讃ゑ


界隈とは、駅の改札口と商店街が地続きになっていること。
改札を出ると、股おっ開いて店並み 手招きしてル。
階段を上り下りしないと、駅の外に出られないというのは、粋じゃナイ。
駅の改札口と商店街が地続きになってルことは、
線路が高架でないを意味し、同時に踏み切りあるを意味する。
踏み切りは全くいまいましい存在。警報はイライラする。

下赤塚駅北口一番街は、庶民というものを真正面から普遍的に捉え切っていル。
国際的な界隈だ。

のとや 綿入りポンチョが680円。乗馬ズボンが430円。無敵艦隊ニッカパンツが623円。

八百増第一支店の”生きた野菜” VS 百姓屋の”産直野菜”
八百増のおばさんのかけ声は、客寄せなのか念仏なのかヒマつぶしなのか健康のためなのか不明。

惣菜屋の豆元の茶髪で両お下げの年齢不詳のオネエさんが、シャモジでなく、素手で商品をかき回す。
不潔で、思わず買ってしまいたくなる。

ZENの行きつけの店を一つ紹介。
一番街のはずれにあるインド・パキスタン料理のハイベル(HYBER)。ハイベルはタンドリーチキンの意味。
インド人Aさん一人で営業してル小さな店。店長、日本語あまりしゃべれナイ。でも、印度料理さえできれば
下赤塚で生きて、いけル。当たり前のこと。

いつものサラリーマン・セットを注文。
カレー二種+ライス+ナン2枚+サラダ+タンドリーチキン+サービスドリンクで、野口英世一枚出して、おつりが
来ル。札びら持った手でチキンをつかむから、味が複雑化すル。

日本では見られない印度音楽DVDを小型テレビで流してル。
ZENの要望を聞いてくれて、印度映画DVDを流してくれル。
英語の字幕つき。
英語がカンタン。8割がた基本英語。COME HERE、WAIT、I AGREE TO PAY。
英会話の勉強にぴったり。

鼻高い黒髭の男が言う。「人生は波のように動く。だから、オマエに貸した金も動く。2万ルピー貸したが、今は10万ルピーになった。返せ。」高利貸しのむちゃくちゃな論理に弱者は顔を歪める。突然、赤ん坊が泣き出すような悲しい音楽が画面いっぱいに流れ出し、庭の鶏がバタバタと逃げ回り、両手で顔をふさぐ家族が踊り出す。何で踊るんだ?
弱りきった弱者は正義の味方を樹の下で夢想する。すると二コリと笑う正義の味方が現れる。民衆映画だ。

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